高知 その2
四国八十八ヶ所お遍路 33番札所 
雪渓寺(せっけいじ)  高知市長浜


雪渓寺は子供の頃からなじみの寺で、ここで毎年行われる神祭を楽しみにしていました。神祭の間は参道にテキ屋が露店を連ねたのです。フーテンの寅さんも来たと思います(笑)

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   びんずるさん
釈迦の弟子で十六羅漢の一人。
白い頭髪と長い眉毛と強面顔が特徴ですが、この像は白髪がありませんね。
びんずるさんは飲酒戒が守れない酒飲みだったのでこのようにお堂の外に出されています。体の悪い場所と同じ部分を撫でると病気が治るそうです。
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歌詠み幽霊
昔、廃寺となっていた三十三番札所(今の雪渓寺)に月峰という僧が来た頃、幽霊が出るという噂がありました。
荒れ果てた寺に月峰僧が泊まった夜、赤い着物を着た老僧が現われ歌を詠み始めました。

墨 染 め を 洗 え ば 波 も 衣 着 て

しかし、上の句を詠んだもののその後が続かず、しくしくと泣き出しました。
翌日も出てきて同じように上の句を詠みましたが、やはり下の句が出てこないのでまた泣き始めました。
かわいそうに思った月峰は下の句を作ってやりました。

水 も 浮 世 を い と ふ も の か は

すると、泣き声が止み、その後幽霊は現われなくなりました。
この月峰僧が三十三番所を再建し、今の雪渓寺になりました。

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    観音像
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太玄住職の塔が左に見えます。 クリックで拡大

山本玄峰師(妙心寺派管長)は、若いころ失明に近い眼病を患い、その回復を祈願して素足で7回目の遍路をした際、雪渓寺の通夜堂に泊りました。その時、雪渓寺の大玄住職に「心眼をこそ開け」と言われて、悟りを得ました。

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鐘楼 クリックで拡大

*雪渓寺一口メモ
雪渓寺(せっけいじ)
建立:782年から806年にかけて
開寺:弘法大師
ご本尊:薬師如来
宗派:臨済宗妙心寺派

月峰上人が中興の祖。
月峰上人と面識のあった土佐藩主長宗我部元親が保護し、臨済宗に改宗した。元親死後、菩提寺になったのを機に元親の号をとって雪渓寺となる。
雪渓寺は「鎌倉仏像の宝庫」で、運慶作の本尊の薬師如来をはじめ、日光、月光の両菩薩、湛慶作の毘沙門天、吉祥天、運慶の子である海覚作の十二神将の十体などの国宝が納められている。


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こんな立派なお寺さんだとは知りませんでした(笑)
高知撮影の旅は続きます。

さ て、 ど ち ら へ 行 か う  風 が 吹 く
(山頭火)

シ ョ ル ダ ー バ ッ グ が  肩 に 食 ひ 込 む

金 属 カ メ ラ が つ め た い
(土佐の酔鯨)

NIKON F100 PROVIA400
by ondtp | 2006-01-08 21:12 | カメラ的日乗
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