カテゴリ:CANON EOS650( 1 )
思い出カメラ CANON EOS650


CANON EOS650
1987年3月発売。
発売時価格118000円(ボディ+EF35-70mm F3.5-45)
         80000円(ボディのみ)



a0022814_10453654.jpg

いまさら、こんな古いカメラのインプレッションを書いてどうする、という想いもあるが、個人的な思い入れの強いカメラを16年ぶりに入手したので記録しておきたい。EOSの初代機でキャノン初のAFカメラEOS650である。


a0022814_10495495.jpg
a0022814_11255224.jpg
横浜 中華街

およそ16年ぶりに部屋の奥から古いポジフィルムが見つかった。
当時は撮影技術もカメラの知識もほとんどなかったにもかかわらず、16年前のポジフィルムがけっこうきれいに写っていたのに驚かされた。もちろん何のテクニックも無くオートのまま使ったはずなので、これはカメラとレンズの優秀性によるものだ。
断片的な記憶を呼び戻し総合すると、当時使っていたカメラはCANON EOS650だろうとの結論に達した。
なつかしさもあり、カメラの優秀さにも興味を引かれたのでEOS650をヤフオクで入手した。装着していたレンズはキットレンズのEF35-70mmF3.5-4.5だと目星を付けてこちらもヤフオクで落札した。カメラとレンズ合わせて約1万円だった。

a0022814_1057472.jpg

16年ぶりに手にしたEOS650の最初の印象は、
「デカイ!」だった。
しかし、デジタル一眼に慣れた手にはボディの厚みが薄くてスマートに感じた。プラスチックボディなので大きいわりに軽い。プラボディとはいってもしっかりしており強く握ってもギシギシいうことはなく、チープな感じもしない。

この「思い出カメラ」をさげて横浜へテスト撮影に出かけた。すぐ結果を見たかったので今回はポジフィルムではなくネガカラーVENUS400を装填した。撮影当日の横浜は、少し雲が多めの晴天といったところで、ときどき薄曇りになった。

a0022814_10583692.jpg

16年ぶりのEOS650の使用感は悪くなかった。
ボディが大柄だけあってホールド感がいい。シャッターライムラグが短くAF合焦も速くて撮影中ストレスを感じることは無かった。
シャッター音はキャノンらしい電子的サウンドで、ニコンをメインに使っている人間として最初は少し違和感があったがすぐ慣れた。シャッター感触も、浅すぎず、深すぎずで悪くなかった。最速シャッターが1/2000秒しかないところに時代を感じさせるが、これで問題になることはほとんど無かった。
ファインダー倍率はAFになってから小さくなる傾向にあるが、このEOS初代機は0.8倍と大きくて見やすい。(ハイエンド機のEOS1vは0.72倍)
AF測距点は中央1点のみ。AF駆動はレンズ内のモーターを使用するので高速静音。ただ、クロスラインでないので、横ラインの被写体にはまるでピントがあわない。
露出補正は1/2ステップだが、+-5段まで補正できるのにはびっくりした。
6分割評価測光は逆光もかなり補正してくれるようだ。ネガなら露出補正の必要はない。ポジでも極端な逆光でなければ補正無しでも問題ないと思う。16年前がそうだったから。

a0022814_10592252.jpg
a0022814_10593763.jpg

気になった点は、
シャッター音が大きい。人物スナップで不利だが、音自体は不快ではない。
ON/OFFスイッチが操作しにくい。
露出補正ボタンが不便な位置にあり、ファインダーを見ながら補正できない。
手ぶれ警告音がうるさい(警告音を出さない撮影モードもある)。
寝ていた赤ん坊が目をさますほどフィルム巻き戻し音が大きい。
中古はシャッター幕に油滲みの出やすい欠点が報告されている。油ではなく、モルトプレーンが溶けてシャッター幕に付いたのだとの説もある。

結局、実用的にはこのカメラでなんら不都合はないというのが結論だ。CANON のAFカメラはすでにこのEOS650で完成されていたとの印象を強くした。

a0022814_1103670.jpg
a0022814_1105473.jpg
逆光で空がこれだけ入っても暗くならない。画面6分割評価測光は優秀だ

※EOS650には被写界深度モードというものがあるが、出品者が取説の添付を忘れたためこの機能については不明。取説が届いたらインプレッションを更新する。

●追記
「深度優先モード」は、いわばカメラが過焦点距離を計算してくれる機能だ。現行機にも生き残っているから重宝する人もいるのだろうか。スナップが多いので個人的には使うことはなさそうだが。
EOS650が気に入ったので、EOS5や3、7もチェックしてみたが、特に欲しくなる機種はなかった。EOS650で十分だ、というよりEOS650がいい。
※650の上位機種として620があり、ほぼ同じ機能だが、最速シャッタースピードが1/4000秒になっている。600番台シリーズの最後のタイプに630があり、こちらはAF性能が向上しているらしい。

●ついでにレンズについてもひと言。
このEF35-70mm F3.5-4.5は普及タイプの2倍ズームで650のキットレンズとして発売された。開放F値が3.5と暗く、2倍の低倍率ズームなのでコンパクトだ。高倍率ズームレンズは便利でも、サイズが大きくなると持ち出すのがおっくうになるので、このへんの選択は難しいところだ。
描写はややコントラストが高く上品な写りとは言えないが、立体感があり気に入っている。
これで歪曲収差がもう少し抑えられていれば申し分ないが、普及価格帯のレンズにそこまで求めるのは無理か。
by ONDTP | 2005-05-31 11:14 | CANON EOS650