同潤会 三ノ輪アパートメント
台東区にある同潤会・三ノ輪アパートメントに行ってきました。
三ノ輪アパートメントは老朽化という言葉では表せないほどの状態で、
部分的には至る場所で崩壊が始まっていました。
角を曲がってこのアパートが視野に入ってきた時は、思わずギョっとしてしまったほどでした。
入口で住人らしきご老人と目があってしまい、中に入るのに躊躇しました。
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同潤会は、関東大震災の翌年、震災で失われた住宅の復興を目的に設立され、1941年解散するまでに合計16棟のアパートメントが建設された。
21世紀に入って、老朽化の進んだ同潤会アパートメントは、再開発や解体論が活発になり、保存運動もかなわず、結局次々と取り壊された。
現存するのは、三ノ輪、上野下の2棟のみである。
わたしが初めて同潤会アパートメントの内部に入ったのは5年ほど前のことで、青山同潤会アパートメントだった。知人の画家がそこで個展を開いたので見に行ったのだった。廊下などは狭かったが不思議と心が落ち着く空間で、こんなところに住んでみるのもいいなあ、と感じた記憶がある。
その青山同潤会アパートメントも今はない。跡地には、あの六本木ヒルズを建てた森ビルの手で、地下六階、地上六階の表参道ヒルズが近々完成する。
六本木ヒルズ同様、表参道のランドマークになるのだろうが、果たして、そこはかって感じたように「住んでみたい」場所になるのだろうか…。(住んでみたいと感じても IT青年実業家でもなければ住めないが…)
内部に入るのはためらわれたが、カメラ的日乗の読者のために(笑)思い切って入ってみた(失礼しました)。
老朽化とは別に、ここは空襲による火災の被害にあっている。その痕跡か…
(クリック拡大)ギョっとするほどの老朽化ぶりだった。部分的には至る所で崩れている。
(クリック拡大)
下町といっても、「谷根千」が一種の下町観光地になっているのに比べて、三ノ輪はまだまだディープ・ダウンタウンで、いまだ旧い下町風情が残っている。
小さな神社に立派な銀杏の木が…
すぐ道端にこんな地蔵さんが。
わたしは決して「軍艦アパート」フリークではないのですが、嫌いでもないようです(笑)
カメラ:NIKON FE2 NIKKOR28mm F2.8
清洲尞