ご存じのように、当ブログは銀座や有楽町の写真をくりかえし撮っています。 超有名な和光のショーウインドウや時計塔、シャネルやグッチなど有名ブランドのファサードなど絵になる(写真になる)場所が多いですから、何度行っても銀座は被写体に困りません。ショーウインドウのディスプレイや店のインテリアなどは季節ごとに変わるしね。 でも、ショーウインドウのディスプレイや、ブランド店などのファサードを撮る時は「複写」という言葉がいつも頭をよぎります(森山大道氏も写真は複写だと言ってますね)。必要以上にシニカルに考えるつもりはないですが、ディスプレイの写真がおもしろいとすればそれはディスプレイがおもしろいからで、ファサードの写真が美しければそれはファサードの美しさゆえです。この場合、写真は他人の制作物の魅力に強く依存しているわけです。写真にはこうした「複写」意識がどうしてもつきまといます。 「複写度」を少しでも減らすために、ショーウインドウを撮影するときは、ガラスの映り込みをわざと取り込んだり、手前に人物を配したりしています。ファサードを撮る時も通行人や自動車などを組み合わせるなどして写真としての自立性を心がけるようにしています。それで自立性が高まるとしての話ですが。 「複写」という考えは少し自虐的かもしれません。 三次元の被写体を二次元に置き換える際の工夫があるわけで、光の具合や構図、細かな描写(パース、コントラスト・色相・彩度など)にも写真的創意が働いていますから、単純な「複写」ではもちろんありません。しかしそれでも、都市風景を撮るときは「複写にならないように」という意識がいつも脳裏にあります。複写になりそうな時は、なるだけ「複写度」が下がるように心がけています。複写度を下げるといっても、実際には、被写体を単体でアップにせず、複数の被写体要素を取り込んだ構図にする、といったくらいですが。 露出計がカメラに内蔵されていなかった遠い時代や、マニュアルカメラの頃と違い、誰でもカンタンに撮れてしまうデジカメ時代になると、「複写」という見方は昔より高まるような気がします。 突然の思いつきですが、壁のシミやトタンの錆、軍艦アパート、廃屋などが被写体として好まれるのは、それらが他人の制作物ではなく自然(時間)が作り出したものだからかもしれないですね。 被写体が自然ならいくら複写してもかまわないから、ネイチャー派にはこのような悩みがなくていいですなあ。
by ondtp
| 2006-02-07 21:27
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