1 朝から冷たい雨が降っています。 今日は終日雨かところによって雪との予報で、寒い一日になりそうです。週末だというのにねえ。 ![]() リコーから、こんどこそGRシリーズのデジタル版が出るのでは、という期待はあっけなく外れた。今後もちょっと出そうにない。コンパクトカメラは価格競争が激しく利益が出にくいのでメーカーは一眼レフに今後の期待をかけていると報道されている。ちょっと待ってくれ、と言いたい。 銀塩カメラにはかって「高級コンパクト」というジャンルがあった。CONTAX T2の成功が呼び水となって、その後コンタックスの他にもニコン、リコー、ミノルタ、フジが参入し、小さなカメラでありながら一眼レフ並によく写ると評判の高性能カメラ群が一時代を築いた。 デジタル・カメラにもこうした小さくてもよく写る高級カメラへの需要はあるはずだが、いまだ登場していない。キャノンのIXY L/L2がそれに近い存在で、「成功」もしていると思うのだが、他社が続いて製品化を進めているとは聞かない。デジタルカメラにはいまだ「高級コンパクトカメラ」が存在しないのだ。 ![]() 仮に市場があっても簡単にことは運ばないだろうと思う。銀塩の高級コンパクトカメラの場合も、市場が先にあったから誕生したわけではなかった。強烈な個性と情熱と実力を持った技術者の存在を抜きにして高級コンパクト・カメラは誕生しなかった。そのことを考えると、高級コンパクトカメラのデジタル版がいまだ出現しないのは、市場や技術の問題というより、情熱に駆られリスクも恐れず銀塩高級コンパクトカメラを開発したかってのような技術者がデジタル時代に存在しないことが本当の理由ではないかと思う。そうではないことを望みたいが。 製品開発の重点を一眼レフにシフトする前にメーカーはコンパクトカメラの分野でまだなすべきことがある。 ![]() MINOLTA TC-1 (別名=谷井カメラ) 宝石のようなカメラ ![]() TC-1はいつもリコーGRと比較される。焦点距離が同じ28mmで、ぎりぎりの小さなボディサイズなのに、共によく写ると評価が高いからだ。高級コンパクトの東西の横綱である。両者の詳しい比較情報はWEB上にあるので興味ある方はそちらを検索してほしい。ここではアトランダムに思いつくまま簡単に紹介するにとどめたい(おーと、いきなり手抜きか酔鯨君…、すみません。スペックを引き写すのは苦手なんです)。 ![]() ![]() GRはグリップ部以外はパトローネより薄いし、TC-1も考え得るかぎりの小ささを実現しているため、携帯性は両者とも抜群である。持ちやすさはGRの方がいい。TC-1は究極のコンパクトサイズを達成するためにホールド性を犠牲にしている感がある。 外観から受ける高級感はTC-1に軍配があがる。カメラに関心の薄い人に見せればたぶん第一印象で好まれるのはTC-1の方だろう。 ![]() GRには評価測光モードがあるが、TC-1は中央重点のみである(ワンプッシュでスポット測光に切り替えられる)。サクサク撮るスナップにはGRの方が向いている。 TC-1の問題点として指摘されるのは、開放F値がF3.5で、絞りが4段階しかないこと。それに周辺減光だ。TC-1には通常の絞り羽がなく、かわりに真円の形状でくりぬかれた絞り板を使用しているため、絞り優先AEのみである。ただし、F3.5と5.6ではレンズシャッターで調整して、実質的なプログラムAEとなる(この場合は真円絞りにはならない)。 機能設定ダイヤルとレバーを使った操作性は良好である。ファインダー内の情報もコンパクトカメラとしては必要十分だ。 TC-1の描写傾向はよくカリカリと形容されるが、まだそうした実感はない。色が濃厚だと言うのは、空の色が時としてキャノンのGIDIC映像エンジンが裸足で逃げ出しそうな色になるので確かにでそうだと思う。 ![]() ![]() 一方、GRの最大の短所は、シャッタースピードが1/500秒までしかないことだろう。TC-1は1/750秒だが、せめて1/1500秒あるとよかったが、まあ、あのライカでも1/1000秒なのに、みなさん文句も言わずに使ってるようですから、贅沢言っちゃいけないですね。 価格はGR1vが98000円、TC-1が148000円で、5万円の差がある。それなのに、よく比べられるのはGRの名誉とも言える。 ![]() ![]() ![]() 一言で簡単にまとめると、スナップ的使用にはGR、もっと優雅さや趣味性の高さを求める人にはTC-1というところか。 デジタルにも早急にこのレベルの高級コンパクトカメラの出現を望みたい。 ![]() ![]() ![]() 舞浜 画像はすべてMINOLTA TC-1 ▲
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| 2005-01-15 08:21
| Minolta TC-1
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